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“趣味の集い”が抱える課題「誰が教え、どう学ぶ?」

サッポロ電子クラフト部の場合

アスビト実験ラボ ASUBeTO

実験ラボ:01 部活×ASUBeTO

「知見を共有する」ことの難しさ

2015年8月に創設された「サッポロ電子クラフト部」は、さまざまなアイディアを電子工作と結び付け、ものづくりを楽しむ大人の部活動です。プログラマーや技術者だけではなく、教師、クラフト作家、デザイナー、主婦、学生などさまざまな分野の人々が参加しています。コロナの感染拡大により活動を自粛していましたが、2023年5月から約20名のメンバーと共に本格的に再始動。これを機に、今まで抱えていた課題を解決すべく、PSS「ASUBeTO」の導入を決めました。

代表を務める福田和宏さんは、活動を続ける中でいくつかの課題を見つけていました。

①「経験が浅い新入部員に、効率よく電子工作の基礎知識を教える方法」はないか?
②「活動内の発表が、その場限りで終わってしまう」のはもったいない!
③「作品制作動画をどのように管理、共有」すればよいのだろう……。

「いずれの課題に対しても、公式サイトでの記事化や、部員向けの独自ドキュメントの作成、動画コンテンツの限定公開による解決を目指したことがあります。ただ、もっと効率の良い見せ方、伝え方があるのではないかと、何年も前から考えていました」(福田さん)

アスビト実験ラボ ASUBeTO

電子工作の中枢となるマイコンボード「Arduino」での効率よいプログラム作成について講義する福田さん

これまでの施策で解決できなかった問題点

活動再開にあたり、各課題に対してどのように取り組んでいくのでしょうか。
今回は、①「経験が浅い新入部員に、効率よく電子工作の基礎知識を教える方法」に対する取り組みをご紹介します。

これまでは、知識と経験が豊富なメンバーが、“初心者に教える”というシンプルな形を継続してきたとのこと。未経験者に対し、経験者がアドバイスしながら目標達成を目指してきましたが、そこにはいくつかの問題がありました。

「活動は2、3週間に1回で、2時間程度しかありません。教わる側、教える側ともに、毎回出席できるとは限らないことが大きな障壁でした。また、教える側も電子工作を楽しむために入部していますので、教える時間が増えると、自分の制作時間が減少するという課題も。一方、教わる側にしても、『そもそも説明に使われる用語の意味が分からない…』といった工作に必要な前提知識やスキルのバラツキという問題があります」(福田さん)

この課題解決に必要なのは、
個々のレベルに合った学習を、各自のスケジュールに合う形で学べる方法の創出です。
そこで目指したのは、“いつでも、誰でも、レベルに合わせて学べる教材”の作成でした。

アスビト実験ラボ ASUBeTO

サッポロ電子クラフト部のコース(ASUBeTO内)に設定された教材「電子工作の基礎」

課題を解決するために「ASUBeTOができること」

福田さんは、紙資料による基礎講座の作成や、「より詳細な技術は動画で残す」という方法も検討しました。しかし、いずれも一方的な発信になる可能性があり、「個々のメンバーに合わせたサポートがしたい」という思いから、従来のLMSではなく、ASUBeTOを選択。個々人のパフォーマンスをサポートするPSSのほうがより効果的だと判断したのです。

・各メンバーのレベルに合う教材を作成しアーカイブ化できる
・追加や修正等が簡単にできるため、継続利用すればするほど教材として精度がアップ
・各メンバーがどこまで学習できているのかを確認し、フォローすることが可能

「ASUBeTOのテスト機能を使えば、どの程度の知識が身に付いているのか確認できますし、アンケート機能を利用することで、教材の改善点など受講者の生の声が届くのもいいですね」(福田さん)

アスビト実験ラボ ASUBeTO

設定されたコースで「Arduino」について学んだ後、テストで理解度をチェック

効果への期待と新たな課題

ASUBeTOの効果に期待する福田さんですが、同時にある懸念が浮かんできました。企業で行われる研修などとは異なり、趣味の集いだからこそ抱える大きな問題です。

「基本的にボランティア作業となる教材の作成を、誰が担当すべきなのか?」

果たして、この問題の解決方法は?
新入部員は知識を向上できるのでしょうか?
そして、②、③の課題に対する施策とは?

to be continued …

(2023年6月30日)

アスビト実験ラボ ASUBeTO

PROFILE

サッポロ電子クラフト部(さっぽろでんしくらふとぶ)

『最新Pico W対応!ラズパイPico完全ガイド』『これ1冊でできる!Arduinoではじめる電子工作 超入門 改訂第5版』などの著作が多い福田和宏さん(株式会社 飛雁/代表取締役)を中心に、2015年に創設された電子工作を楽しむためのグループ。北海道札幌市を拠点とし、経験豊富なメンバーのほか、知識ゼロの社会人や学生も参加。年末に同部活が主催する展示発表会「サッポロ・テックファン」に向けて、作品制作を進めている。

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